京都の老舗漆会社の会長は父の小学校の元担任!!

こんにちは、あいかです。

先日9月5日の話になりますが、京都市北区にある株式会社 佐藤喜代松商店へお邪魔してきました。
こちらは主に漆(うるし)の精製、販売を生業とする京都の老舗企業。創業大正10年10月!(でも京都の漆業界では一番若い会社なんですって。)

会長直々に社内を案内していただきました。

そもそも京都歴浅い私がなぜ会長と繋がれたかと言いますと、こちらの会長、私の父の小学校の担任の先生をされていた方だったんです!
先月、イタリアから家族と共に夏の一時帰国をしていた父が小学校の同窓会に顔を出したところ先生と40年以上ぶりに再会。そして娘が今京都でフリーランサーとして活動しているという話をしたところ、今は京都の漆の会社の会長をしているからぜひうちの会社に遊びに来るよう伝えなさい、となったそう。(パパありがとう〜)

そして娘、早速アポを取り先日お邪魔させてもらったのです。

そもそも、漆って何?なんで漆って高いの?という疑問を持つ人も多いのではないでしょうか?私もあまり詳しく知っていなかったのですが今回色々と教えてもらったので、撮ってきた写真とともに漆について書いていきたいと思います。

「漆(うるし)」とは

漆の木の幹に傷をつけ、そこから出てくる乳白色の樹液を採取したものが漆液の元になります。一本の木から採取される量はたったの約150g。そんな貴重な樹液を精製して塗料としたのが漆です。漆の木は、日本や中国、東南アジアなどで生育し、以前は日本各地で漆を生産したようですが、現在では日本で使う漆の90%以上が中国から輸入されたものだそう。

この樽たちの中身は全て漆。黒の大きな樽それぞれには国産の漆が400リットルほど入っていて価格は1樽400万円だとか…!!

これは生漆(きうるし、もしくはなまうるし)と呼ばれる原料の漆液をろ過し、木の皮などの取り除いたもの。
漆のイメージとは程遠い茶色がかった乳白色色。
キャラメルみたいで美味しそうでした。(笑) でも、漆に免疫のない一般人はちょっとでも触れたらかぶれる場合もあり危険です!

このキャラメルを混ぜながら少しずつ加熱すると「精製透漆(すきうるし)」ができていきます。これに顔料を入れることにより様々な色の漆ができます。
ちなみに佐藤喜代松商店さんは日本の伝統色を元に約100色もの色漆を取り扱っています!色見本を見せていただきましたがどれも美しい絶妙な色で漆に持っていたイメージを覆されました。

これらがろ過したり加熱したりする装置。すごい年季入っています。

「漆黒(しっこく)」を知る

黒色だけは顔料を使いません。
精製の段階で鉄分を混ぜ、鉄の酸化作用によって、漆自身が黒色に変化したものなのです。

これが黒い漆の入った樽。もうね、まっっっっくろ。
真っ黒より真っ黒。

そう、これぞ漆黒!!

「漆黒」という言葉の意味を本当に理解した瞬間でした。
会長は「漆黒は黒なんだけど透明感がある、漆でしか表せない、他にはない黒」とおっしゃっていましたがまさにその通りだなと思いました。

でも、この化学反応による黒の作り方を大昔の人たちが発見したのがまずすごいですよね。調べてみたら漆器は、日本では縄文時代から作られていて、漆黒の器も弥生時代には作られていたそうです…おそるべし我々の祖先。

水分を取り込んで乾く

あと、説明の中で面白いと思ったのが漆が乾くメカニズム。
普通、「乾かす」という工程を想像すると含まれていた水分が空気中に蒸発するというイメージですが、漆は全く逆で、空気中の水分を取り込んで乾くんだそうです。
いまいち想像つかないですよね。頭で理解してこうやって文章に起こしてますがあまりしっくり来ていません。(笑)
漆を乾燥させるには、温度が25~30℃、湿度が70%程度が最も良いとされ、日本だと梅雨時期が最も乾燥が早くなるそうです。うーん不思議。

個人的にすごく気になっている金継ぎ

佐藤喜代松商店さんでは漆の教室もやっています。
そこには割れた器の金継ぎをする人も来るそうで。
これも生徒さんのもの。ここから磨くと金が輝いていくそうです。
金継ぎって割れ目を純金で繋いでいるのかと思っていたのですが漆を塗った後に金粉がかけられているんですね。
だから金粉をかける前の工程がこんな感じ。

金継ぎってモノを大事にする心が割れ目にそのまま現れていて視覚的にも興味深い。
私も金継ぎすっごいやりたいのですがなかなか器が割れない。(良いことw)
なのでうっかりやってしまった時にはこちらに駆け込みたいと思っています!

とりあえず金継ぎは今すぐできないけど本で知識を増やそうかな。30代後半とか金継ぎできる女になってたい。ミラノでワークショップとかもやってみたい。(新しい願望が増えてしまった)

佐藤喜代松商店さんは漆精製だけでなく、様々なマテリアルへの漆加工も行なっています。布やレザーやパール、過去にはエレベーターのドアや車のボディにも…!!
伝統を受け継ぎながら現代にマッチしたビジネスを展開されていて、とてもフレキシブルな企業だなと感じました。

今回の訪問で漆についての知識が増え、漆の可能性を知りました。
貴重な仕事場を見させていただいて会長、社長に感謝です。ありがとうございました!

ではまた!